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原形留めぬカケラをかき集めて、ユウくんは子供みたいに泣く。
「なんで?なんでこんな事したの?」
「ちゃんと誓約書の内容にそったまでよ」
さっきの誓約書を改めてユウくんに見せてあげる。
その文章の下の方、ちゃんと隠しもせずに記載している。
〈万が一飲みすぎた結果、迷惑をかける事態が発生した場合は、お気に入りの品を処分する事を認め、反省の態度を見せる事。それに対して、一切の不満を持たない事〉
「ね?ちゃんと書いてあるでしょ?」
誓約書を握りしめ、ユウくんがプルプルしている。
ちょっとやり過ぎ?でもこれくらいしないと、きっとなおらない。
「う……でも、あれじゃなくても」
「何言ってるの?一番のお気に入りは残してあげたんだよ」
そう。最初に一番大切なものを壊したら、その後のダメージは弱くなる。
今度やらかしたら次は一番大切なものが壊されるかもって思ってくれなくちゃ。
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