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「もう、飲みすぎない?」
コクリ
「約束ね」
コクリ
首振り人形みたいにユウくんが頷く。
「じゃ、この件はもうおしまい。あー、もうお昼だね。どっか食べに行く?」
「あ、僕が作るよ。沙耶ちゃんは座ってて」
「そう?じゃ、お願いしちゃおっかな。ユウくんの作るご飯、美味しいし」
誓約書を引き出しにしまって、ソファに弾むように座った。
これでユウくんの飲み癖がなおるといいんだけどな。
そう思ってキッチンのユウくんを振り返ったら、何やら笑みを浮かべていた。
「ユウくん?」
声をかけるとハッとこちらに振り向いた。
「な、何?」
「いや、なんか笑ってたみたいだから、どうしたかな?って思って」
「そ、そう?気のせいじゃない?もうちょっと待っててね」
コンロの火力を調整しながら、ユウくんがそっと棚に小瓶を置いた。
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