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「うわあ……思った以上に、ひっそりしてる」
すごい。駅前なのに本当、何もない。
いや。あるんだろうけど時間帯のせい?駅前とは思えない暗さ。
こんな中ユウくんは待ってるんだろうか?
ロータリーに車を停めて駅前を見渡しても、ユウくんはいない。
「ユ、ユウくん?どこ?」
静寂の中、思ったより自分の声が響く。
でもそれにたいしてユウくんからの返事が帰ってこない。
え?大月駅って言ったよね?
聞き違い?
いやいや、そんな事ないはず。
携帯を手に取りユウくんの携帯を鳴らしてみる。
じっと耳をすまして音を聞くけど、何も聞こえない。
駅の端から少しずつ歩いて、祈るように耳をかたむける。
♫
かすかに聞こえた!
音の方に向かって駆け寄ると、駅の端で丸くなったユウくんがいた。
よかった、無事で。
「ユウくん、迎えにきたよ」
身体を揺らしてユウくんに声をかける。
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