38人が本棚に入れています
本棚に追加
濱井が学校に到着すると、環境グリーン科の生徒たちが待っていてくれた。
「濱井さん!」
元気に手を振ってくれた女子は生徒会長だ。環境グリーン科から生徒会長が出るのは統合されてから初めてだといって、桐島先生が喜んでいた。
「会長。久しぶり!」
トラックを停めると、生徒たちがプランターを降ろし始めた。
「なんか重くない?」
「ほんとー。いつもより重いわー」
と、口々に言いながら、プランターをビニールハウスの中に入れた。
環境グリーン科は女の子ばかりだから、非力なんだよな、確かに今日のプランターは重たい。
「あれ、今日、桐島先生いないの?」
濱井は生徒会長に聞いた。
「はい、プランターが来るまでには戻るって言ってたんですけど。そのあとスピーチも聞いてほしかったのに」
会長は、フラワーフェスティバルでイスラ・ヌエボの観光大使の前でスピーチをすることになっている。コンベンションセンターという町で一番大きいホールだから緊張すると以前に言っていた。
「そっかー。練習したいのか」
「はい」
「じゃ、俺が聞いてあげよう」
「え。いいんですか」
「うん。アドバイスはできんけど」
「うれしい。ありがとうございます」
最初のコメントを投稿しよう!