濱井

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「私たち、サラには冷たかったから。あの子、すぐ変なこと言うし。行動も変だし。真面目に実習してたら茶化してくるし。 私もウザいなって思ってました。 めんどうだからこっちからは絶対話しかけないようにしてたんです。それがいじめだったって言われると、すごく納得できないです。 でも、死ぬほど悩んでたなんて、気が付かなかった・・・ 人殺しって言われると、そんなの絶対違うってめちゃくちゃ腹が立つけど、でも、サラは本当に死んでしまって、何の理由も聞けないし、謝りたくても、やり直したくても、なにもできない。 本当は、人の前に出るのがすごく怖いんです」 「じゃ、俺が見に行くよ。」 「え?」 「確か、一般の人も入れるよね。だから俺が見に行って、めっちゃ拍手してやるよ。何ならブラボーって言ってあげる。だからさ、ちゃんとスピーチしておいで」 「ブラボーは恥ずかしいよ」 「いよっ日本一、にしようか」 「もっと恥ずかしいです」 会長は泣き笑いした。 「大丈夫。絶対うまくいく。」 その言葉に.奥でやりとりを聞いていた渡邊先生が深く頷いて拍手した。 「先生、はじめて最後まで聞いてくれたね」 「うん。立派なもんだ。会長、明日は花を配置する仕事もあるからな。7時に農場前に集合だぞ」 「ああー、そうだったー」 会長は頭を抱えた。 濱井は笑って言った 「俺、早めに店を閉めていくから。がんばれよ 」 「はい,ありがとうございます」 会長は笑顔で濱井にお礼を言った
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