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大瀧はエンジンがかかったままの運転席に飛び乗って、駐車場に向かった。
「ちょっとあんたら泥棒? ここ、公道よ?」
「お静かに。警察です」
「はあ?警察が何で車パクろうとしてんだよ。放せ」
高橋は逮捕術に優れているが、この濱井という男もなかなかいいバネをしている。跳ね返されそうになる。やむを得ず手首をねじり上げた。
「いたたたた」
ようやく濱井がおとなしくなった。たいしたものだ。体術の経験はないようだがすばらしい運動神経だ。一度鍛えてみたいくらいだと高橋は思った。高橋は警察手帳を提示した。
「ご協力お願いします」
濱井は仰天した。まさか本物だとは思っていなかったのだ。
「何なんですか」
「急を要します。あの花屋に警察官が監禁されています」
「はあ?あんた何言ってんの」
「あとでゆっくり説明します。建物のスペアキーを持っているなら提供してください。それと、建物の構造を分かる範囲で教えてください」
「えええ・・・・」
濱田は呆然としてその場にへたり込んでしまった。
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