フェスティバル

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そこにリュウセイが口をはさんだ」 「ユキは、ここにいてもいいんじゃないか? 連れていく必要ないだろ」 神山も同意した。 「シラユキには俺の補助をしてもらいたい。いつもと違って広範囲に指示を出さないといけないから、見落としたらまずい」 ボスが言った。 「トモヒロ。お前とシラユキ、リュウセイの戸籍はもう準備できてる。これが終わったら自由だ。だからこそ、シラユキは俺たちと行動してもらう」 「・・・どういう意味だ」 「いざというときに、判断が鈍るだろう?」 「俺が裏切るとでも?」 「そうは思ってない。だが、助けたい人間がどっちにいるかで、ぎりぎりの判断は変わってしまう。お前は司令塔だから」 「・・・わかったよ。やつがコンベンションセンターに入ったら仕掛ける。それでいいよな」 「どうしかける?」 「・・・うん。ちょっと見てみて」 神山は、マップをみんなに示した。 「あのプランターは、コンベンションセンターだけじゃなくて駅前広場や、商店街にも置かれてる。ここを無差別に爆破する。要人たちはホールから動かないだろう。そこに突入する」 「なるほど」 ボスは言った。 「それでいこう。みんな。これを逃せば二度とやつに思い知らせる機会はない。あの時死んだ家族や友人を思い出せ。彼らの魂が俺たちの味方だ」 熱気が地下室に満たされた。ただ、シラユキだけが成り行きを呆然と見つめていた。リュウセイと一緒に現場に向かうのはいい。いつだってリュウセイと一緒に行動してきた。しかし、すべてが自分の頭上を越えて進んでいく。そりゃ今までだって言われた仕事をやってきただけだ。でも、まるで私なんかがいないみたいにいろんな話が進んでいって、何かわからないものに夢中になっている。 怖い。 思わず、リュウセイの手を握りしめた。 「大丈夫だ。いつだって、大丈夫だったろ?」 リュウセイは笑った。
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