フェスティバル

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   いったい何が起きているんだ? 濱井は立ち尽くした。 俺は、えらい人をお迎えするセレモニーを見物しに来たんじゃなかったのか。正確には、えらい人に花束を渡す生徒会長を見に来たはずだ。 何だ、何が起こってるんだ?まず人が倒れている。ドアが吹っ飛んでる。煙と火薬のにおいがプンプンする。パンって言うのは何だあれ?発砲音?いやまさか。 とにかくあそこで倒れている人を助けなきゃ。濱井は、倒れている制服の警備員を助け起こそうとした。 「大丈夫ですか」 仰向けにしようとして、胸からべったりと血が流れていることに気が付いた。 「ちょっと!!大丈夫?どうしたの」 その時またホールから発砲音が聞こえた。同時に走ってくる、いくつかの足音。 「濱井さん!!」 聞いたことのある声。会長じゃないか。会長が泣きながら、ホールから走り出てきた。 え?もしかして、銃弾が飛んでる?  濱田はとっさに身を低くして会長をタックルするように抱き留めた。そして廊下の柱の陰に会長を押し込んだ。 「いいか、ここで小さくなってじっとしとけ。絶対動くな」 しかしここ、人間一人分だな。俺はどうする?周囲を見回した濱井は、シラユキを発見した。誰かを支えながら走っている。思わず濱井は飛び出した。 「ユキちゃん!」 その瞬間、濱田は背中に強い衝撃を受けた。 「クソっ一般客じゃないか」 そう叫ぶ誰かの声が聞こえた。  
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