濱井

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挨拶もそこそこに濱井は店を飛び出した。 ああ怖かった。なんかぞくぞくしたぞ。幽霊にあったみたいだ。こういう時は深呼吸だ。 濱井は駐車場で大きく息を吸って吐いた。 夜の景色。温泉の匂いと繁華街の灯が、いつもの場所に自分がいることを教えてくれた。ふう、一安心だ。よかった。俺は異世界転生したわけじゃなさそうだ。これ以上考えても仕方ない。何事も深入りは禁物。明日、ゆっくりでいいんなら、コンビニに寄ってビール買うのもアリだな。よし、そうしよう。濱井は鼻歌交じりに自分の車に乗り込んだ。
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