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駐車場とアパートの間には長いこと誰も手を入れていない植え込みがあった。その時は伸び放題になったツツジが咲き誇っていた。シラユキはそのころ仲間になったホレと一緒に花を摘んでいた。
「シラユキ」
マドレも小さく手を振った。
「今からホレさんがコンビニに連れてってくれるって」
「良かったわね」
「お土産いる?」
「アイス買ってきてくれ」
マドレの肩越しに、リュウセイは声をかけた。
「分かった!!」
シラユキはホレと手をつないでコンビニに向かった。
「で、こいつはどうするんだ?」
リュウセイは部屋の隅に転がっているスーツの男を指さした。いい夢でも見ているような顔で眠りこけている。
「どうしようかしらね。暗証番号はあってたってボスから連絡が来たわ」
「じゃあ、もう帰ってもらっていいんじゃないか?」
「そうね。そうしましょう」
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