リュウセイ

7/20

38人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
駐車場とアパートの間には長いこと誰も手を入れていない植え込みがあった。その時は伸び放題になったツツジが咲き誇っていた。シラユキはそのころ仲間になったホレと一緒に花を摘んでいた。 「シラユキ」 マドレも小さく手を振った。 「今からホレさんがコンビニに連れてってくれるって」 「良かったわね」 「お土産いる?」 「アイス買ってきてくれ」 マドレの肩越しに、リュウセイは声をかけた。 「分かった!!」 シラユキはホレと手をつないでコンビニに向かった。 「で、こいつはどうするんだ?」 リュウセイは部屋の隅に転がっているスーツの男を指さした。いい夢でも見ているような顔で眠りこけている。 「どうしようかしらね。暗証番号はあってたってボスから連絡が来たわ」 「じゃあ、もう帰ってもらっていいんじゃないか?」 「そうね。そうしましょう」
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加