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スノウホワイトに適応したマドレは、特別な娼婦として育てられた。複数の言語を習得し、エレガントな振る舞いも身に着けた。もちろん『毒』の扱いも。
一晩かけて十分にとろかせた男の耳元に、マドレはささやく。
「あなたの大切な口座はどこにあるの?」
「パスワードを教えてほしいの」
「あなたの組織は、次に誰をターゲットにするの?」
母親に問われた赤子のように、男たちはすらすらと自分の秘密を明かす。明かされた秘密はどのように使われたのか、マドレに知るすべはなかった。
ただ、マドレは豪華な鳥かごの中で大切に養われている小鳥だった。イスラ・コン・ティキが焼き払われるまでは。
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