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「どうしてそう思うの?」
リュウセイは、フラワーフェスティバルのパンフレットを出した。
「こいつだろ。お前たちが狙っているのは。」
そこには、今回のイベントに海外から視察に来る要人の写真が載せられていた。
エイドリアン・ガルシア
四十代半ばの男。先住民族の顔立ちに少しだけラテン系の血も入っているようだ。人を引き付ける笑顔と、目の輝き。だがその輝きをまともに見つめるのはためらわれる。彼そのものの輝きというよりは、深くほの暗い泉が、受け取った光をきれいに反射しているように感じられる。彼そのものの本質は、輝きに隠れたその先にある。
イスラ・コン・ティキが大混乱に陥ったのを的確に収束させ、国の名前をイスラ・コン・ティキから、イスラ・ヌエボに改名。今ではイスラ・ヌエボ外務大臣兼次世代産業育成担当大臣だ。疲弊した国の産業を立て直すために世界中を飛び回っている。そんな人物が視察に来るとあって、市全体が舞い上がっているのだ。
「国の英雄みたいだな。イスラ・ヌエボ新時代の希望って書いてあるぜ。てことは、お前たちには敵なんだろう」
リュウセイはパンフレットを読みながら言った。
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