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「ふん。まあいいや。俺も一枚噛んでやる。その代わり、終わったら俺とシラユキを解放してくれ。今後一切かかわらないでくれ」
「あなたがシラユキを連れ出してくれるの?」
「ああ」
「絶対に? ずっといっしょにいてくれるの?」
「約束する」
マドレは立ち上がり、ドレッサーの引き出しから封筒を取り出してリュウセイに渡した。中には偽造されたシラユキの運転免許証が入っていた。
「年齢をごまかしてるけど、それくらいいいわよね。あげるわ。今すぐに逃げてもいいのよ」
「あんたはよくてもボスは許さないだろ。あいつは、筋を通さないとやばいやつだ。筋さえ通せば約束は守ってくれる。そうだろ」
「よくわかってる・・・ずいぶん長い付き合いになったものね。私たちの復讐には何の関係もないのに」
「ふん。もう首までつかってるよ。何人殺したと思ってるんだ」
「そうね…でも大丈夫? あの子は恋をしてるわよ」
リュウセイは、カメラ越しに見たシラユキの様子を思い出した。
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