ガード下の焼肉店にて

2/3
前へ
/40ページ
次へ
もちろんイケてるのは見た目と匂いだけじゃない。 この店のスゴいところは、ランチタイムに限り800円の定食にプラス1000円払うと肉メニューが単品で追加フリーになるところ! けどさ、ランチに1800円ってどうだろ。 奢られる理由もないから当然自腹なわけで、貧乏学生としてはできればワンコインで済ませたかったけど さすがに焼肉店ではそうもいかない。 悩んだ挙げ句、俺は今後しばらく口にできないであろう肉の為に、思いきって予算をオーバーした300円と追加の1000円を払う決心をした。 だけに、うんまいことこの上ない。 「みなつきさんっ、サンチュの横にあるこのミソ、激ウマです! みてみて! ほら、まず葉っぱの上に肉乗せるでしょ? そしたらこのミソ!  これをちょんと乗せるでしょ?  そしたら、、、こうやって、、、くるくるって巻いて」 ばくっ 一口で放り込む。 「ほしひゃら(そしたら)しろめひれ(しろめしで)ふぉいかへるんれす(追いかけるんです)」 ああ旨いったら旨い〜! 脳が喜んでいる ─── 愛想もくそもない相手との飯だけど別にいいんだ。 俺の機嫌はね、(たちま)ち口に広がる肉汁とタレが絡んだロース肉が取ってくれるんだから。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加