食うに落ちるってこういうことだ

好き焼きもち

並べられた肉を睨み、箸を握って待ち構えていると、ユキさんが俺の背後に視線を遣りながら言った。

「最後に入れるうどんがいるな。
汰君、冷蔵庫から茹でうどんの袋出してくれるか？」

うどん？？

「すき焼きに、、、うどんいれるの？」

関西の食文化には驚くばっかりだ。

「すき焼きには うどんて決まってる」

「俺、、、。白飯がいいな」

「男が食うことでぐずぐず言うな」

「あっ、それセクハラ発言っ」

「うるせえ」

「汰くん、うどん」

「『白飯がいい』って言って何が悪いんだよ」

「作って貰ってるのに
ガキみたいな我儘言うなってこと」

「我儘なんか言っ、、、」

「汰くん、早(はよ)う うどん取って」

「あーわかったよ！　もう！」

箸を叩きつけて立ち上がる。