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相変わらず、夕聖の照れ方は初々しい。最初の頃は、ガバッと脱いで堂々と腰振ればいいのにと思っていたが、今では照れて赤くなっている夕聖を見るのが楽しみになっている。
(肌しろいせいで、すげーキレイに染まるんだよな)
雨瑠はネクタイの結び目からシュッと片方引き抜き、わざとゆっくり首筋を手でなぞりながら外してやった。
「く、久瀬、あとは自分でやる」
「なんで。上手くほどけただろ。次シャツのボタンな」
ワイシャツのボタンもひとつずつ丁寧に外していく。合間に額やこめかみにキスを落としたら、夕聖からも遠慮がちなキスが返ってきた。ボタンを全部外す前に、背伸びするようにして両腕を雨瑠の首にまわして、抱きついてくる。
すり、と頬ずりされながら、雨瑠は夕聖の細い腰を支えてやった。
「なんだよ。仕事きつかったのか?」
夕聖は妖祓いだ。調停役としてニンゲンと妖の揉め事の間に立ったり、妖絡みかもしれない怪異の調査を主に手がけていると聞いている。
こんなふうに甘えてくっついてくるなんて、何か気持ちが塞ぐようなことでもあったんだろうか。
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