あざとい姫とナイト達と魔女

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「もう少し優しく指導したら?涼音は綺麗だけど冷たく見えるからさ。」  そんなことを前回のデートで彼氏である賢也に言われたときは驚いた。  賢也の耳にも噂は届いているのか。  私が賢也から口説きまくられ付き合いを始めたのは一年ほど前。若葉が入社してくる半年前の事だ。  交際を隠してるわけでも逆に宣言しているわけでもない。  周りの誰かが「南野賢也の彼女が可愛い後輩にイジメをしている」とでも言いつけたのか。  いや、違うな。  じっと彼を「視て」思った。  彼の「赤」にほんの少し「ピンク」が纏わりつくように視えた。  その色は若葉の色だった。  逆にあったはずの「薄紫」、私の色はもうほとんど視えなかった。
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