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女子トークと質問ゲーム
※ 氷室涼音が知らなかった占い後の話
最初は二人で女子トークで盛り上がっていた萌ちゃんとアイちゃん。
そのうち二人は隅の方で飲んでいた天夜さんに気づいた。
「ね、萌ちゃん、私、酔ったみたい。二次元のイケメンが見える。」
「あー、アイちゃんも見える?しかもさ、三次元で見えるのよ。」
「なんてこった!3Dメガネいつ掛けたっけ?」
「VRゴーグルとか?」
ゲラゲラ笑う二人。
天夜さんは苦笑した。二人が媚びるわけでもなく天夜さんを見て絶賛してるのに笑えてきた。
「イケメンの笑顔、尊い!」
二人はなぜか合掌を始めた。
天夜さんはとうとう吹き出してしまった。
「うわっ!リアル?」
「え?なに?ドッキリ?撮影?」
やっと二人が天夜さんをただの客だと理解した。すると、萌ちゃんが天夜さんに話しかけてきた。
「はい!質問です!おにーさん位カッコ良ければ、モテモテですか?彼女いますか?」
「ちょっと!萌ちゃん!すみません。……で、どうですか?」
邪気のない二人に天夜さんは
「彼女はいませんよ。今は。」
「あー、モテすぎて選べないパターンね。」
「でもさ、おにーさんくらいのイケメンだとよっぽど自分に自信がないとアタックできないよね。」
「わかるー!一緒に歩いていて自分が見劣りするよね。」
キャッキャッと騒ぐ二人。
「さっきの占い師さんとかならどう?」
「あ、それ、お似合い!美男美女!」
「最初見たときにびっくりしたよね?人形が喋ったかと思った。」
「そうそう。でも話してみたらすごい気さくね。アイちゃんの探偵もどきの話の時なんてすごいウケてたからね。」
「あははー!お恥ずかしい!」
「ねえ、お兄さんはあったことあります?ここの占い師さん。」
「ありますよ。何度もね。」
「もしかして。彼女目当てに通ってるとか?」
「それは、想像におまかせします。」
「きゃー!!!」
二人は声を揃えてはしゃいだ。
お似合いー!だとか散々大騒ぎしたあと、
「頑張ってくださいね!」となぜかエールを贈って二人は帰ったらしい。
帰り際には彩女さんと天夜さんに
「占い師さんによろしく!」
「今度はもっと誠実で優しくて、堅実で、イケメンの彼氏との恋の相談に来るって伝えてくださいね」
と言って帰ったとか。
※以上、そっと見つめていた彩女さんから聞いた状況です。
「なんか、可愛い二人でしたよね。」
「はい。小学生の子供と話してるみたいでした。」
「小学生はひどいですよ、天夜さん。せめて、女子高生にしてください。二人、高校の同級生だったみたいですよ。」
「すず、いえ、氷室さんもあんな感じの女子高生でしたか?」
「涼音でいいですよ。プライベートのときは特に。あと、敬語もいりません。」
「じゃあ、俺も冴月で。同学年のよしみで。」
「はい。冴月さん。」
「そっちも敬語なしね。」
「うーん……努力します。じゃなく、頑張るね。」
仕事の話はしないで、好きな映画や食べ物、国、など沢山の話をした。
意見が合うときもあれば合わないこともある。ただ言えるのはとても楽しかった。
そのうち、彩女さんが、様々なお題を出して答えていく、というゲームを始めた
彩女さんが質問をする。
「じゃあ、最後の晩餐で食べたい料理は?」
「米と漬物!」と私。
「卵かけごはん!」と冴月。
私と彩女さんは大笑い。
「うそ!意外!」
「お坊っちゃまも卵かけご飯食べるの?」
「は?大好物だけど!あとお茶漬け!」
「じゃあ次!タイムマシンがあったらどこに行きたい?まずは涼音!」
「うーん、江戸時代とか?でもこの見た目じゃ石投げられて捕まえられそうだよね?それは嫌だなぁ。
子供の頃近所の悪ガキに石投げられて当たったことあるのよ。痛かったなぁ。
だから恐竜時代とか?恐竜は見た目とか気にしないだろうし。……冴月さんは?」
「……子供に戻って、涼音の同級生になりたい。」
「え?」
「見た目で嫌な思いしてるなら助けてあげたいし守ってあげたい。カツラやカラコンなんてさせない。」
「あら。素敵。」
彩女さんがふふ、っと笑う。
「冴月さん、酔ってます?」
「いえ、全然。飲んでませんから。これ、ノンアルです。車で来たので。」
「じゃあ、からかってます?」
「それも違います。」
「えっと。」
「貴女が好きです。氷室涼音さん。言っとくけど祖父や母を喜ばせるためじゃないからね。」
彩女さんは面白そうな顔をして私と冴月さんを見つめていた。
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