キスとチャカと。

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「ただいま。」 「おう、帰ったか。」 オヤジが顔を上げた。 抗争があったなんてウソみたいだ。 「抗争終わったんだって?」 「ああ。1組潰してやった。」 ニヤリと笑う。 ああ、敵じゃなくて良かった。 こういう時マジでそう思う。 「凛は?帰りの車には一緒に乗ってたのに、家に入ってきた時には気がついたらいなかったんだけど。」 「桐生の息子はカタギだぞ。今回だけ手を貸してもらったが、これからはお前と違う道を歩くに決まってるだろうが。」 「凛にはもう会えないっていうのか?」 「お前はここの跡取りだぞ。当たり前だ。」 「凛とは友達になったんだ。だからオヤジとは関係なく、会う!」 「ダメなものはダメだ。」 こういう時のオヤジは止められない。 それは俺が一番分かってるんだ。 これじゃ、ロミオとジュリエットじゃねーか。
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