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「どういうつもりだ?猛。」
オヤジの静かで低い声が沈黙を破った。
「2人でラブホテルから出てきたってのは、やることやってるってことだよな?」
「猛さんは悪くありません。」
「凛!」
「僕が勝手に猛さんを好きなだけです。」
「それは、許しておけねえな。」
オヤジが動こうとした。
俺は凛の前に出て、手を広げた。
「俺も凛が好きだ。俺も殴ってくれ!そして親子の縁を切ってくれて構わない。」
「それは組の跡取りも辞退すると?」
「おう!組とオヤジと縁がなくなれば凛と一緒にいても関係なくなるだろ!」
「…。」
オヤジが無言なのが空気をピリピリさせていた。
「2人で会社を起こします。組は穂高さんに。」
「それで、俺が許すと?会社なんて金はあるのか?」
「株をやっていて、資金はあります。猛さんを破門にしてください。」
「まさか、お前途中からこれを狙ってたのか?」
「それは秘密です。」
アハハとオヤジが豪快に笑った。
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