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「今回は、助かったわ。新城の坊っちゃん。」
「坊っちゃんは止めてくださいよ。もう新城からは出た者ですし。」
「期限が来ましたら、私が徴収に参ります。」
「桐生の坊っちゃんは怖いなあ。わざわざそんなこと言わんでもちゃんと返すわ。」
「分かっておりますが、確認しておきませんと。」
「はいはい。今日は帰りますよ。」
「では、エレベーターまで送ります。」
「ありがたい。麗しい社長さんに送ってもらえるなんざ。」
「麗しいだなんて。」
「仲間内でこの会社の社長は女のように綺麗だと持ちきりですよ。」
「またまた。」
まただ。あんまりそれを言われるのは好きじゃない。だが、それも武器にしなくては。
俺達は、ヤクザ相手の金貸しを始めていた。
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