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「僕を見張りに戻してください」
「申し訳ないけどね。あれだけが仕事じゃないから」
「実績もあるのに? 納得いきません」
「吉崎君」
目の前に紙が数枚、差し出された。
「お客様相談カードだよ。見てごらん」
吉崎とかいう店員の態度が悪い
セルフレジを使っていたらにらまれる
使い方を聞いたら馬鹿にしたように教えられた
「嘘だ、こんなの……」
「他のスタッフからも苦情が出ている」
「嫉妬してるんですよ! 僕が正義だから」
僕は紙を払いのけた。
「吉崎君、何言って……」
事務室を出て僕は店内に戻る。
悪を排除して、居場所を取り戻すんだ。
僕がヒーローになれる場所を。
僕は敵の肩をつかんだ。
「どけよ、僕の場所だ」
「ちょっと、何するんですか!
やめてくださいよ」
力では僕の方が上だ。敵はおびえている。勝利を確信し笑みがこぼれる。
押しのけようとすると、店長が追いついてきた。
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