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「その女性が、実の海里華のお母さんなんだね。でも半魚族は女性だけの種族で、海の魔力を得てひとりでに子供を身ごもるって聞いたよ。人間の血を受け継ぐことなんてあるのかなって、気になっていたけれど」
「海中に沈んでいた星晶石が、あまりに綺麗だったのでその魔力と交わったそうなの。それが人間の魂からできたものとは知らずにね」
死者の魂は稀に、薔薇型の星晶石となって現世に留まる。事実が分かったのは、彼女が身ごもって、海里華が生まれてからだった。
「汐音母さんは、半魚族の羅々女王に使える歌姫の一人だそうよ。別れて以来会ったことはないけれど、いつか再会できればと思っているわ」
「こちらから会いに行くのは難しそうだね」
「わたしじゃ、海底神殿まで潜れないし、地上と繋がる道は十年に一度しか現れない。精霊主になって、カレル王家に仕えれば、海底神殿へ入る許可がもらえる……緑寿はそう言って私を王都グラハナに誘った。もう八年前のことよ」
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