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「それにしても、この羽根……かなり大きいな」 「久遠がその場にいたのなら、魔種のものかもしれない。もしかしたら……」  海里華も仮説を口にしようとして、やめた。  そんなこと、あるはずがない。緑寿がシャスラーンの歴史を揺るがす嘘をついているなんて。そもそも、彼が200年近く生きている仮説だっておかしいのだ。なのに海里華の空想だと捨てきれないのは、この羽根のせいで……。 「いえ、何でもないわ。この羽根についてはグラハナに帰ったら、一緒に王宮図書館で調べましょう」  海里華の言葉に、灯真は「よしっ」と元気よく意気込みを見せた。
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