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シュタルトは、西沿岸部に比べると整備が遅れている。不安定な時代に入り、災害や戦への備えを急ぐカレル王国は、はっきり言って財政難である。
東沿岸部は、人口が少なく貿易上も重要拠点がない。町の防備は、後回しにされている感が拭えなかった。町の大きさに対し、守りの要となる結界柱が明らかに足りていないのがその証拠だろう。
大人の事情をよそに、伊世の屋台の前を、三つ目族の子供たちが大はしゃぎで駆け抜けていった。
下町の市場は、王都に比べれば規模はとても小さい。しかし、どの屋台にも旗が煌びやかに立つ姿は、港町シュタルトならではだ。
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