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海里華は外套を着ず、素顔を晒していた。というのも巡視隊の一員として、緑寿が連れてきた男は、見知った魔種だったからだ。
町の被害や水龍の住処などは、先に巡視隊が調査済みだ。海里華たちは、すぐさま水龍の処遇を考えられるよう、巡視隊の話を聞いておく必要があった。
「水龍は夜間に行動する。元々は東大陸沿いに棲み、古代鮫などの大型の魚を好んで食べるが、船の明かりを獲物と間違えて襲うようだ」
熊の形相をした巨体の獣人が、興奮したように身振り手振りで状況を語る。
名前は夜倶多という。初めて会った時の彼は北部の村を荒らす野盗で、神珠を発現させた灯真に敗れたのだった。
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