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「この先、僕たちは長旅になる。夜倶多さんは、代わりにカレル王国を守ってください」
「任しとけ。難しいことはさっぱりだが、困った者を助ける道理は分かってきた。魔種も、人間も、いい奴がいるなら見捨ててはおけねえ」
灯真は頷いた。水龍退治が終わったら、いよいよ東の大陸へ向かう。緑寿と季宗国王の間で決まったことに、海里華は口出ししなかった。もうすでに魔法も剣も、灯真は一人前の腕前だといえた。
それに、彼には周囲の考えを変える力があるようだ。海里華はいつしか、灯真のそういう善良な面を美点だと認めるようになっていた。
夜倶多が言うには、水龍の巣はどこかまではまだ突き止めていないという。
「この近辺の海域には違いないんだがな……なるべく、あんたがたの手は煩わせないようにするさ」
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