3428人が本棚に入れています
本棚に追加
乾杯だけすると、お義父様とお義母様は帰られ、入れ替わるように早織さんと詩織さんが二人で入って来られる。
「アメリカンレモネードをお願いします」
「私はキールアンペリアルをお願いいたします」
早織さんはシルバーにも見えるライトグレーのコールドショルダードレス、詩織さんはダークグリーンのホルターネックジャンプスーツドレスにお召しかえされている。そして二人は軽々と…いえ、容易にドリンクを注文された。
「相変わらず派手な二人だ…」
尚哉さんが従姉妹二人を見てそう言うと
「私たち、たまにこういう装いで出掛けてストレス解消しているのよ」
「ナオちゃんも一緒にいかが?」
と二人が笑っている。陽翔さんもそれを聞きながら私に
「鈴、凰を紹介するよ」
と小早川さんを手招きした。
「はじめまして、鈴と申します。小早川様、本日はお忙しい中の参列、ありがとうございました」
「こちらこそ、佳き日にお招き頂きありがとうございます。昨夜、陽翔とは会って話を聞いていたので、鈴さんとは昨日会ったような気分です」
「昨夜は小早川様とお兄様もご一緒だったと聞きました」
「はい。兄がたまたま帰国していて、陽翔とは面識がありますから是非とも一言お祝いを伝えたいと申しましたので」
「結局、櫂くんにご馳走になったんだよ」
陽翔さんと凰さんのひとつ年上だというお兄様は、今はすでに赴任先のヨーロッパの国へフライト中らしい。
最初のコメントを投稿しよう!