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新居
結婚式後はそのままNinagawa Queen's Hotelに泊まったが、翌日の昼には鈴と新居に戻る。
鈴と相談して新婚旅行は日本の猛暑を抜け出す計画にしたのでまだ先だ。
「…起きる…」
「まだ起きなくていい…チェックアウトまで時間は十分ある。もう少しこうしていて…鈴」
3時間も眠っていない鈴を胸に抱きしめ直すと、自分の欲が全細胞を起こし始めるのを感じてはっきりと目を開ける。キリがないな…自分の欲に笑いが漏れそうになりながら鈴がもう少し眠れるようにと、遮る物が何もない背中を撫でる。
やましい気持ちを隠して誘った3時間前の3回目とは違い、今は寝かせてやりたい気持ちが99.99%なのだが0.01%のやましさが、背中から腰を撫でさせ、腰からヒップを撫でさせる。
人間が自分にないものを好意の対象に求めるのは自然なことで、俺は自分にないこの腰からヒップへの曲線に惹き付けられる。もちろん鈴だからだ。だから、マーメイドラインのウェディングドレス姿の写真も永久保存レベルの大切さだし、着物で歩く鈴を後ろから永遠に見ていたいとも思う。
「…ぅん…起きる?…はる…」
一瞬だけ深く眠ったようだが、起こしてしまったか?
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