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披露宴はありふれた形式だったが、その後にひと工夫した。披露宴直後のアフターパーティーを催したのだ。
17時開店のホテルのバーをちょうど1時間、16時から17時の間、貸し切りにしてもらい時間の許すゲストはどうぞお越しくださいと案内した。
30分の結婚式と2時間30分の披露宴が平均的だとプランナーからは聞いていたが、披露宴は2時間で終わるようにお願いして、アフターパーティーの予約をした。
披露宴は御披露目と挨拶が出来れば十分だ。そこでは結局ゆっくりと話すことはできないのだから、お互いの友人などとパーティーで少し話せればいいな、と鈴と相談して決めた。二次会のような大袈裟なものもいらない。バーで思い思いの飲み物を注文して、俺たちと話す、またはゲスト同士が話す時間を持ってもらえるといい。時間の都合で途中で帰るようなこともオーケーだ。
総レースでゴージャスなイメージながらシンプルなストレートラインの白いワンピースにラベンダーカラーの太めリボンベルトをつけた鈴と二人でバーへ向かう。介添えスタッフがいないので、足首が見えるくらいのワンピースに着替えた鈴だが
「これでも‘ドレス’って感じがする…」
「ジャケットとか羽織って、普通にワンピースとして着られるって言ってただろ?似合ってるよ」
どうも落ち着かないらしい。
「着物が良かった?」
「ううん、着物はいつでも着るからそういうわけではないんだけど、早織さんたちのようにはいかないね。誰が来ているかな?」
「早織、詩織は絶対」
「美雪と美冬もだよ。紹介するね」
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