拝啓 お義母さま

わざわざ？

田舎の天気は変わりやすい。
しょっちゅう通り雨が降る。
洗濯物を干して出かけて、うっかり雨に降られることがある。

「しまった！」

と思うけど、もう一度洗えばそれでいい。

お義母さんに取り込んでもらうより。

「雨が降ったから、取り込んでおいたよ」

「あ、ありがとう」

「洗濯バサミもしてなかったし、シワも伸ばしてなかったから干し直しておいたから」

「どうも……」

私は、洗濯物の干し方が雑だ。
自覚はあるけど、めんどー。
そしてそんな私とは対照的に、きっちり干すお義母さん。
そして、私の洗濯物を取り込むとここぞとばかりに指摘してくる。

その反対もある。
突然の雨に慌てて、私がお義母さんの洗濯物を室内に取り込む。

でも、わざわざ“取り込んでおいたよ”とは言わない。
何かが落ちててそれを拾っても、わざわざ言わずに目につくところに置いておく。
“拾っておいといたよ”とは言わない。
別にいいかと思うから。

でも、お義母さんはやってくれたことを全部報告してくる。
廊下の隅に猫の毛が落ちてたから掃除しといたよ、とか。

ウザい。

そう思う私は、嫌な嫁だ。
わかってるんだけどねぇ。