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②
「で、外で言えないことってなに?」
「……」
「言わないとわからないけど」
本当は怒ってないけど、イラッとした感じで話すと、律は必ず話し始める。
これが一番手っ取り早い、誘導尋問。
「あの……、引かないで聞いて欲しいんだけど…」
おずおずと律が話し始める。
「抱いて…くれない……か?」
「……。はぁ……?誰が、誰を?」
「察してくれ」
「いや、察するも何も、言われないとわからないんだが」
「だから…お前が…俺を…抱くんだよ…」
「……。はぁ?お前、そっち系なのか?」
律は巨乳好きで、今まで女としか付き合ったことがない。
だからそっち系だったなんて初耳だ。
「実は彼女…あ、元カノに、あの、その、あれだ。開発されたんだ」
「どこを?」
「あそこだ」
「だからどこ?」
「だから、アナルだ!」
「!!」
「俺、もうそこでしかイけない…」
「!?!?」
「こんなこと、海里しか頼める人いなくてさ…」
「……」
「一生のお願い!俺を抱いてくれ」
「抱いてくれって言われても」
願ったり叶ったりだ。
心の中で叫んだが、そんなこと言えない。
だって律はノーマルだから。
でも、ここは親友ぶって……。
「いいよ」
「!!」
驚く律を尻目に、苦笑いをする。
「俺、律だったら抱ける。だって親友だろ?」
「ありがとう海里!じゃあ…」
キスをねだるように律は目を瞑り、俺はその唇に唇を重ねた。
ああ、律はなんて素直で無垢なんだろう……。
こうなるように、俺が仕組んでいたなんて知らずに、こんな男に「抱いてくれ」って言うなんて。
律の元カノ紹介したの俺だよ?
あの女に「律を開発してくれたら、お前と付き合ってやる」っていったら、すぐに律を開発し始めて。
律。
お前は親友だと思っている俺に、ずっと騙されてたんだよ。
でも安心して。
これからは、いやって言うほど愛しやるよ。
大事に大事に抱くからさ。
俺がいないとだめな身体にしてやるよ。
愛しい律。
愛してるよ…。
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