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「海里、起きてる?」 「……」  海里からの返事は返ってこない。  よく眠っている海里は、昔から変わらない。 「海里、俺を抱いてくれて、ありがとう」  そう言いながら、俺が頬を撫でると、海里が少し微笑んだように見えた。  ああ、なんて可哀想な海里。  俺が全部仕込んだこととも知らず…。  海里が紹介した、あの女。  海里の差金で俺を開発させるように仕込んでいたこともお見通しさ。  それ、利用させてもらったよ。  あの女の誕生日にレストラン予約して、プロポーズして断られて、失恋に打ちひしがれている男を演じさせてもらったよ。  海里、お前気付いてないだろう。  俺がお前のことを愛しているって。  お前のことは全てお見通し。  定期的に探偵雇って、ストーカーしてるくらいだからな。  だからお前の企み知ってるよ。  それを利用しないなんて勿体無い。  高校の時から、いつかお前から俺を落とす計画を立てないかと待っていたんだ。  ようやくその時が来た。    海里。  もう離すつもりはないよ。  俺なしじゃ、生きていけない身体にしてやるよ。  愛しい海里。  愛してるよ……。  
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