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正気に戻り辺りを見渡すとあの鎧の青年はいつの間にかいなくなっていた
「初めまして、はじめましてって言えるのかな?こんばんわ、僕の名前はハルスェイド・ミカエリスこの国の王太子だ」
義兄と同い歳だと言っていたな…という事は僕の1つ上か…
明るい部屋ではよく見える
煌びやかな金色の髪に星空のように輝く青い不思議な瞳
惹き付けられる容姿
それに比べて僕はどうだろうかパサついた黒い髪に痩せこけた頬
汚れた服に身体
昔母様に綺麗だと言われた瞳ですら今では濁っている
この場にはいかにも不釣り合い
「フィーリオ…ファスティ伯爵家次男…です。継承権はありません」
いつ以来だろうかこの名前を言ったのは
「いい名前だね。僕のことは今まで通りハルでいい、僕もリオって呼ぶけど…いいかな?」
「は、はい…」
僕は座ってといいハルは指を指す
指を刺された先には豪華なソファー
言われた通りに座るも、違和感でしかない
「突然で申し訳ないけど、急ぎだから直球に言うね
君には王家の影になってもらいたい」
「え?」
「今王家はネズミの巣窟だ。僕の命がいつ狙われてもおかしくない状況でね、そこで君だ。君は僕と近い年齢だからね、僕の側近、専属の使用人兼王家の影になってもらいたい。」
王室が荒れてるって…そんな話僕にして大丈夫なのか…
だけど噂になっていたことだ
義兄弟や義母、父が話しているのを聞いたことがある
だが…
どうして僕なのだろう
に近い年齢の貴族子息は大勢いる
裏切らない。いや、裏切ることにメリットがないし、例え殺されたとしても誰も困らないからだろうか
だがどうして僕に白羽の矢がたったのだろうか
孤児にすればいいものをわざわざ…
「どうして自分なのかという顔だね、だが、今は言えない。それにタダでとは言わない。僕は君が望むのであれば何でもしよう何でも与えようそして、復讐の手助けしよう。僕の手を取ってくれるかい?」
言えないなら仕方ない
僕の答えは決まっている
例え利用されようとこっちだって利用してやればいい
「我が力を貴方様に」
彼の手の甲に口付けをする
その時僕は気が付かなかった
「これで君は僕の物だ
僕の愛しの番君」
彼の目は濁っている。そして狂気を孕んでいた
深い深い愛の狂気を
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度々の設定変更すみませぬ
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