笛のなる夜に

供述

【宮澤 修斗】

どうして谷本 由香さんを殺害したんですか？

「妹が笑わなくなった理由を作ったのがこいつだったんで。話聞いてたらすぐ分かりましたよ、姫乃は利用されたんだって。そんで引きこもり気味になって大学も進学出来なくなって、姫乃は悲しんでたんです。だから、報復ですかね」

永田 姫乃さんは谷本 由香さんについて否定的な意見は述べていませんが

「そりゃ、友達のこと悪く言わないでしょ。本当は殺したいって思ってても、表面上はそうやって繕うんです。姫乃はそういうところがあるので、俺が守ってやりたかったんですよ」

当人同士の話でしょう

「いや、だから。俺は姫乃の、妹の為を想ってやったんですよ。あいつ1人じゃ何も出来ないような子なんですって」

失礼ですが、永田 姫乃さんとの関係は？

「妹ですよ、俺の」

永田さんは姉が1名と伺っていますが

「最近の思春期女子は分からないもんだなあ。俺がちゃんと分からせないとダメみたいですね、姫乃に電話して聞いてみますよ」

永田さんからストーカー被害が出ています

「は？」

自身の兄だと言い張る男がいると

「心外だなあ。俺は確かに会った時、お兄ちゃんみたいだって褒めてもらったのに。あれ、嘘だったんですかね？俺、本当に妹のつもりで愛してたのに」

接触禁止命令を出しますので

「まあ、いいですよ。たぶん姫乃もそのうち分かってくれると思うので」

ちなみに谷本 由香さん殺人の件はまた別の話なので、後日話を伺います

「いや、その話はもういいですよ」