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それから一ヶ月後、私のカレシが、鉛を背負った表情で私の家に訪ねてきた。
とてもよく晴れた日の午後だった。
カレは、主犯の男子に命じられ、被害者宅に謝りに行くのだと言った。さもなければ私に危害を及ぼすと脅されたのだと。
『あいつの身代わりとして、誠心誠意の謝罪をしてくるよ。そしたら、きみに手を出さないと言ったから。いくら罵倒を受けてもいいんだ。それできみを守れるなら』
去り際の軽いキスはカレの忘れもの。
預かったままの私の罪。
カレが殺されたのも、私のせい。
(了)
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