カットくん

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 今日も終電ぎりぎりまで仕事をして、電車に飛び乗った。  乗車時間は三分。  俺が十年前に社会人になったころは、三十分だったのにな、と過去を振り返る余裕もない。  たった三分の間にニュースを確認するのも面倒な気がして、ただ窓を眺める。  夜の車窓は車内を反射させて映す。黒や灰色のスーツに身を包んだ大人たちばかり。  俺もその内の一人。虚ろな瞳がぼさぼさの髪の間からのぞいている。  そろそろ床屋にでも行くか。  この数年の間に、テクノロジーの進歩は目覚ましく、仕事は楽になるどころか増えた。休日でも仕事の連絡は飛び交い……と、嘆いている暇もなく最寄り駅に着いた。  
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