さらに一緒に

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 それにしてもいい年した男がオーラだとかサンタだとか。しかしそんな事を言うのなら脳内に住むAIペットだって同じだ、  サンタさん、必要な者に必要なものを、か。 「そうなんだよー 途中だったんだよー。だからさ、エリクシャー君も一緒にやろうよ! 」 「うん! 」  Livey達が並んでこちらを向く。 「恵子さん!も一回やるから見てて―! 」 「世音!見てて―! 」  ポーズをとったノっ君に1テンポ遅れてエリクシャーが真似をする。 「いちにのさん はい! あなたからー! めりくりすまっ! わったしーからー めりくりすまっ! さんたのおじさんやってーくっるー! 」  キレッキレのダンスが始まるとエリクシャーがちょっとだけ遅れて必死にそれを真似する。本当にAIなのかと疑いたくなるような間違いも犯しつつそれっぽいダンスをかなり思い切ってやっている。Liveyは健気だ。  恵子の表情は和らいでいた。ノっ君は孤独の中に居た訳では無かった。それどころか友達に再会できたではないか。他のLiveyに遭遇するなど思ってもみなかった。まさか世音が近くに住んでいたなどとも。  急に気持ちが明るくなる。寒さが和らぐ思いがする、明かりがより温かくなる。  唐突過ぎて、出来過ぎていて、なんだか色々可笑しい。  でもそれでも良いではないか。イブに奇跡が起こるのは当たり前なのだから。
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