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工場のマイクにひろ工場長の野太いハスキーボイスが流れる。
「塩焼きそば以外のリーダー集合！」
リーダーたちは駆け足で、ひろ工場長の前に整列する。その間、皆、無言である。ひろ工場長の声を一声も聞き逃してはならない。
ひろ工場長は、皆の前にある壇上に立つ。太い眉毛に異常な顎髭も、パーマのかかった伸ばしっぱなしの長髪も真っ白だ。そして、衛生面の配慮からか、白いボンボン付きの赤い三角帽をかぶっている。これをかぶれるのはもちろん、ひろ工場長ただ一人。
眉間に皺を寄せ、狂気と慈愛に満ちた眼差しで皆を睨む。その気迫にリーダーたちは背筋を伸ばす。
ひろ工場長は呟くようなしゃがれ声で
「愛が足りん。人に提供するものは全て！愛に満ち溢れていなければならぬ！」
とただそれだけ言うと
今度は打って変わった大きな声で
「解散！」
リーダーたちも今度は声を揃えて
「ありがとうございました〜‼︎」と
各々の持ち場に戻って行く。
すると、次の試食からは
「合格！」「合格！」「合格！」「合格！」
と全武門合格し、製造を開始した。
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