2022🎄🎁Merry Christmas🎁🎄クリスマスプレゼンツってなんだ❓

🎄クリスマスシカゴ🎄

商店街の灯りが消える頃。

裏通りにあるレンガ造りのアパートメント。半開きのシャッターの奥から階段の非常灯が薄っすら漏れている、

きちんと仕立てられた燕尾服の紳士が、辺りを見廻してから中に入って行く。

階段を登りきった木造の扉には、鍵が掛けられている。紳士がノックをすると、中から覗き窓が開き、ドアを開けてくれる。中に入るとジャズが流れている。店は広く、今日も盛況だ。ここがサンタ・コルレオーネと仲間のバーだ。

移民だったサンタ・コルレオーネはひろパチーノからウイスキーやバーボンの強盗(ぬすみ)の仕事をもらっていた。盗んだウイスキーやバーボンの一部を自分達の元へ隠し置き、このバーをひろパチーノに内緒で始めた。

禁酒法自体が悪法だった。おかげで店には、銀行員、市長や役人、中には身分を隠した警察官まで、街の主要人物が集まった。大きな商談がまとまるような出会いもいくつか生まれた。歴史は夜動く。そう感じさせる店だった。

コルレオーネの仲間は５人、コルレオーネを入れて６人組だった。シチリア時代からの幼なじみばかり。利益はコルレオーネが分配し、仲間の結束は堅かった。リコ、リト、ジュリオ、チーロ、アルベルト、皆コルレオーネの元では、すべてにおいて能力を発揮した。喧嘩でも、商売でも、遊びでも、仲間はみんな、コルレオーネと居ると"勝てる気"しかしなかったからだ。

「コルレオーネさんに繋いで欲しい。」

先ほど入って来た若い紳士が、ナンバー2のリコに話しかけてきた。

リコは洞察力と直感に長(た)けている。相手を良く観察して、身なりと知的な顔、表情、仕草を確認した。利になる。と感じたら決断も早い男だった。

「わかった。そこのソファに座って待っていてくれ。ジュリオ！バーボンのダブルと灰皿をこの紳士に用意してやってくれ。」

そう言うと、足早に店の奥の隠しドアの中に入って行った。