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🎄再生🎄
コルレオーネの銃弾によって、路上に倒れたひろパチーノは、まるでビデオを逆再生したような、映画マトリックスのネオのように立ち上がった。
「どう⁉️」
コルレオーネに満面の笑みを向けるひろパチーノ。
コルレオーネはすばやくピストルを構え直す。
「テメェは化けもんか!さっき確かに銃弾をぶち込んだはずなのに…」
ひろパチーノは顔の前で合掌して、
「ふっ。俺の脂肪を侮るんじゃねーよ。」と、コルレオーネを嘲笑う。
チベットのラマ僧の様に身体を膨らませ、背中から4発銃弾を弾き返した。
パンッ!パンッ!パン!パパン!
驚いたコルレオーネは残り4発の銃弾を立て続けに撃った。銃弾は正確に心臓に二発、額と喉元に一発ずつ。ひろパチーノが常人なら撃ち抜かれていたであろうが、マトリックスのネオになった気になっているひろパチーノは、両腕を大きく振りながら腰を後ろにゆっくり反らして、銃弾すべてを躱す。
「コルレオーネ。俺を倒すには銃弾が足りないぜ!」
しかしながら、コルレオーネは兵役に行っても、街の喧嘩でも無双の強者。ドカジャン(土方ジャンパー)にタイマン上等と刺繍してるだけの事はある。ワルサーP38は胸のホルダーに仕舞い、昔、まだ幼い少年ランボーから貰った、ごついサバイバルナイフを腰ベルトから取り出した。
「悪いなひろパチーノ。お前さんの時代は終わる。」
そう言ってサバイバルナイフの刃を舐めた。
「痛っ!」
コルレオーネは舌を切った。
「ダッサ!ダッセ!ダサ〜い!」
憎たらしい事ならひろパチーノの右に出る者はいない。
コルレオーネの表情が一変する。普段温厚な人柄のコルレオーネが、その侮辱に対する怒りと気迫で鬼の様な表情に変わる。すると凄い勢いで、ひろパチーノにナイフを繰り出した。
ビュンビュン!ビュンビュンビュンビュン!
コルレオーネのナイフ捌きは、まるでプロボクサー井上尚弥並だった。ひろパチーノもさすがにマトリックスのネオでは躱しきれない。頬や腕を何度もかすめる。血が滲む。するとひろパチーノは突然歌い出した。
「つよ〜く♫なれ〜る♫理由を知った〜♫ボークを〜♫連れて〜♫進め〜♫」
ひろパチーノは心の中で考える。
(早い、早すぎる。これでは防御出来ても倒せない!こちらの方が先に疲れて、突かれてしまう!【ダジャレ】なんとかしなくては…落ち着け落ち着くんだ…呼吸を維持しろ!)
コルレオーネの追撃、連撃は止まらない。
ビュン!ビュビュン!ビュン!ビュビュン!
遠くで松下由樹の歌が聞こえる。
朝はパン♫パンパパン🎶
ビュン!ビュビュン!ビュン!ビュビュン!
ウォッホン!それでも、コルレオーネの追撃、連撃は止まらなかった。
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