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十五年後、親父は亡くなった。
今頃、地上にある本当の空へ行っているだろう。
親父が死んでから、ここの空はずっと同じ色のままだ。
空の色が変わらないだけで違和感を感じ、こんなに不安になるのか。
今は朝なのか、夕方なのか、夜なのかというのは、空の色で判断していた。
色が変わらなければ、時計を見て確認するしかない。
青いから、今日はなにしようか考える。
橙色だから、家に帰ろうとする。
黒いから、一日の終わりを感じる。
空の色の変化も、生活の一部になっていたのだ。
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