陳情令(ドラマ)

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陳情令(ドラマ)

 全50話の中国ドラマ「陳情令」ですが、アニメ「魔道祖師」でご存知の方もいらっしゃるかと思います。  友人の腐女子S様とS嬢に勧められて見始めたんですが、かなりかなり面白くてはまっています。  原作は作者が内容故に中国当局に逮捕されたというBL小説らしいのですが、ドラマにはそういう場面は出てきません。期待なさってる方は残念ですが、そういうの苦手な方は安心して見ていただけると思います。  舞台は古代中国っぽい国。ファンタジーなので本当の国ではありません。  衣装も髪もジャラジャラ長くて、不思議な力を持つ「仙師(せんし)」たちが統べる5つの国が世界の中心。  なんとも私好みの舞台背景に、話を聞いて「あ、これは好きだな」と思いましたが、ずばり当たりました。  物語の最初は血で血を洗う戦の場面、溶岩が吹き出しそうな黒い大地でたくさんの「仙師」たちが「ある物」を取り合って殺し合っています。  その様子を見ながら黒い衣装の若い男が崖から身を投げ、それを白い衣装の若い男が必死で助けようとします。 「魏嬰(ウェイ・イン)!」 「藍湛(ラン・ジャン)手を離せ」  言われても白い衣装の藍湛は黒い衣装の魏嬰の手を離さずにいるのですが、そこに第三の男が現れ、 「死ぬがいい、魏無羨(ウェイ・ウーシェン)!」  と剣を振り下ろし、魏嬰、魏無羨(同一人物・後者は(あざな))は崖下へと落下していく……  舞台は時代が移り16年後、ある部屋で誰かが呼ぶ声がします。 「魏無羨、魏無羨」  ある男が自分の命と引き換えに「夷陵老祖(いりょうろうそ)」こと魏無羨をこの世に蘇らせたのです。  まずここで一つポイントです。  この物語、一人の人間にいくつも呼び名が出てきます。  例えば「魏無羨(ウェイ・ウーシェン)」ですが、これは「(あざな)」です。  子どもの頃の名前と別に、成人した後で呼ばれる名前です。  そして「魏嬰(ウェイ・イン)」は親しい人が呼ぶ名前です。  もっと親しい家族などは「阿羨(アーシェン)」とか、もっと子供みたいに「羨羨(シェンシェン)」と呼んでたりもします。  他に「(ごう)」といって、なんていうのか、その人が成したことで呼ばれる名前があって、それが魏無羨の場合は「夷陵老祖(いりょうろうそ)」であったりします。 「夷陵(いりょう)」という場所であることの「祖」となった人、という意味でいいのかな。  その他に「(ウェイ)の若君」とか「魏兄(ウェイにい)」とか呼ぶ人もいて、そりゃもう混乱します。なまじ漢字が日本と同じで読み方が違うもので、さらに混乱します。     上記の白い衣装の人「藍湛(らんじゃん)」は「藍忘機(ラン・ワンジー)」が「(あざな)」で、「(ごう)」は「含光君(がんこうくん)」で「藍の二の若君」と呼ばれるので、 「は、これ誰?」  と思うこと間違いなしですが、覚えて慣れてもらうしかありません。  そしてそれを乗り越えた人は物語の世界にのめりこみ、はまりこんでいくでしょう。  名前でかなり文字数を取りましたが、話に戻ります。  16年の眠りから覚めた魏無羨(ウェイ・ウーシェン)は自分をこの世に呼び戻した男の肉体の中に入り「莫玄羽(モー・シュエンユー)」として蘇ります。そしてその莫玄羽(モー・シュエンユー)が伯母夫婦の家に世話になっているというか、虐待されているというか、そういう身の上だと知ります。  その屋敷である恐ろしい出来事が起こり、それをきっかけに16年前の出来事が語られます。  この主人公の一人魏無羨(ウェイ・ウーシェン)が、16年前にみんなに死ね死ねと言われて結果的に憎まれて死ぬことになったというのに、すごくライトな性格なんですよ。そのギャップにまずやられますね。  「リンゴちゃん」と名付けたロバと一緒にぽっこぽっこ旅したり、なんともキュート。  そしてもう一人の主人公藍忘機(ラン・ワンジー)は無表情で自分の感情を一切表さないクールな人物なんですが、その対比と二人が親しくなっていく過程も本当に面白い。  果たして16年前にどんな出来事があったのか? どうして魏無羨(ウェイ・ウーシェン)は死ぬことになったのか? 次々に過去のことを知り、現代からその先の謎解きへと入っていく物語についついのめりこんでしまいます。  一話50分ほどで50話、なかなか全部見るのはしんどいですが、ゆっくりと話をたどってくださると、どうしてそこまではまるかが分かっていただけるかと思います。
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