4. meteor巡りと言う名のデート

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「じゃあ行こうか」 「あ、うん」 「お店はあっちかな」  三笠くんはスッとこれから行くところの方向を指差してから、歩き始めた。どこに行くかはまだ分かっていないが、私はとりあえず彼について行く。 「今日ってどこに行くの?」  目的地までの道のりの中で、私はようやくその質問を投げかけてみた。 「僕が考えてるのは、渋谷のCDショップと、あと新宿にあるグッズショップかな。他にも夏川さんが行きたいところとかあれば」 「え!! どっちも行きたいと思ってた!! え、本当に!? 嬉しい〜〜!!」  行き先を知った私は嬉しさ満開だった。  CDショップはこの前シングルが発売されたばかりでお店の広範囲でプロモーションしているらしく、グッズショップは知ってはいたけど一人で行く勇気がなくて行けなかった場所。  どちらも念願すぎる!!  本当に嬉しくて、嬉しすぎて涙が出そうだ。 「あ、でもあれかな。行き先言ってなかったからお金とかって、」 「meteor巡りという言葉だけでお小遣い全部持ってきたので大丈夫!!」  三笠くんが一瞬私の財布の心配をしてくれたが、心配無用だ。meteor巡りと聞けば、何かしら買い物も発生するという予想はあったから今月使えるお小遣い分はきちんと財布に入れてきている。  私は親指を立てながら、問題ないと食い気味に答えた。  そんな私の反応を見た彼は、ふはっ、と笑った。  顔をくしゃっとするような笑顔だ。  ……あ、この顔いいな。  …………って何考えてるのよ私!? 『いいな』って何!?  私の反応に対して見せた彼の笑顔は、可愛くて、見ていて癒されるようなそんな顔で。ふと、その顔をもっと見たい……なんて柄にもないことを思ってしまった自分がただただ恥ずかしい。  自分の中でそんな考えを振り払おうと、ブルンブルンと顔を横に振り、気持ちを無に帰させた。
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