4. meteor巡りと言う名のデート

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「? どうかした?」 「! う、ううん! なんでもないよ。ところで、三笠くんはこれから行くところによく行ってるの?」  私はすぐに話題を変えて、三笠くんに質問をしてみた。  聞かれた彼は、顎に手を当ててうーん、と考えてくれた。 「どうだろう? 一応CDショップの方は新曲が出たタイミングなんかで毎回見に行ってるかな。でもグッズショップの方は男一人じゃ行きづらくて、あんまり行ったことないんだよね。前に数回、叔母さんに連れてってもらったことがあるくらいかな」 「叔母さん? ……あ、三笠くんがmeteorにハマるきっかけをくれた人?」  初めてMINEを交換した夜、お互いのmeteorにハマったキッカケを話した。そのとき、彼は叔母さんに教えられてとかそんなことを言っていた。 「うんそう、その叔母さん。初めの頃は特別興味もなくて叔母さんに無理矢理テレビや動画を見させられたり、ライブに連れて行かれたりしてたんだけど、いつの間にか僕もグループの魅力にハマっちゃったんだよね。それからはこっちからお願いして一緒に行かせてもらってるんだけど、叔母さんが結婚してからはあんまり観に行けてなくって」 「あ、そうだ! 三笠くんはmeteorのライブに行ったことあるんだよね!?」  それもMINEで聞いた話。 「うん。……と言っても、まだmeteorがデビューするちょっと前、彼らが研修生時代のライブだけど」 「それでもすごいよ! いいなあいいなあ。きっとそのときも凄かったよね?」 「もう目が離せないくらいカッコよかった」 「わ。もっと気になること言うじゃん」 「うん、あえて言ってみた。古参ファンの優越感ってやつ?」 「きぃー! 羨ましいー!」  知り合ってまだ間もない。  けれどMINEでお互いのmeteor愛は一通り話している。  それでもこうして会うと、どこからともなくmeteorの話題が尽きないのだからすごい。  しかも、meteorという共通の話題があるおかげで、沈黙になって気まずくなることもない。……それどころか、一緒にいて心地良い。 「今度また秋ごろにライブやるだろうし、もしよかったら一緒に行く?」 「え、ほんと?」 「うん。もちろんチケットが取れればの話ではあるけど」  さらりと提案されるも、簡単には信じられなかった。  だってmeteorのライブでしょう?  行かないわけがない。  まあ、三笠くんと“二人で”というところが若干引っかかりはしたものの、それは後で考えればいい。 「うん行く。行きたい!」  三笠くんは、私より少し背が高い。  隣を歩く彼の袖をぎゅっと掴んで、すこしだけ見上げながら、彼の目を真剣に見つめて答えた。 「……分かった。じゃあ詳細はライブの発表がされたら改めて話し合おっか」 「うん! ありがとう!」  私は溢れんばかりの笑みを浮かべた。  そうしてたくさんmeteorのことを話しながらお目当ての場所に行くと、そこはまさに天国で、その日は今まで生きてきた中で一番幸せな日となった。
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