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仕事内容も車の運転がメインで気楽だし、田舎にしては時給もいい。新しい仕事を見つけるまでのはずが、いつのまにかずるずるとこのバイト生活を続けていた。
母には、夜八時から朝六時まで、夜間の警備の仕事と話していた。体力がいるだろうからと、おにぎりの夜食を持たせてくれるのが申し訳ないが、本当の仕事内容を言うことははばかられて甘えていた。
「一仕事したらお腹空いちゃった。お客さんにおにぎりもらったの、食べていい?」
カレンはバッグからコンビニのおにぎりを出して、運転席の朝陽にも見えるようにバックミラーにかざす。
「どうぞ。でも、カレンさん、お客さんからの食べ物には注意した方が……」
客は気に入った嬢にお土産を持ってくるが、食べ物の場合は変な薬を入れられている可能性がある。
デリヘルは箱型の風俗店と違い、客が先にチェックインしているホテルや、客の自宅に派遣されるので、どんな危険が待っているかわからないのだ。食べ物以外にも、隠しカメラをセットされ隠し撮りされる、バッグの中身から個人情報を特定される、もっとひどい場合は薬物を使われる可能性だってある。危険と隣り合わせの仕事だった。
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