第三章 知沙 4.

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 両親は真っ赤になって、「すみません。この子ったら、もう……。お休みの日なのに、お邪魔して――」と、しどろもどろに言い訳する。  子供は正直だ。達也が朝陽に声を掛ける前、小野寺先生の彼女なのか友達なのかと、テーブルで話題になっていたのは明らかだった。  朝陽が挨拶を終え、席に戻ったタイミングで、料理が運ばれてきた。 「どうする? きっと明日には町中、小野寺先生の彼女の話で持ち切りだよ」  新鮮な海鮮丼を口に運びながら、知沙はにやにや笑っている。 「からかうな」 「でも、良かった。これでもう、朝陽にお見合い勧める人はいなくなるよね」  知沙は満足そうに海鮮丼を平らげた。  朝陽は自分への好意を隠そうともしない知沙を、まぶしく見つめていた。  市内見学の最後は、朝陽の勤める学校が見たいと言う知沙の希望で、小学校の前を車で通った。それでもまだ時間があり、これも知沙のリクエストで朝陽のアパートに案内した。
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