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「でも、変な嗜好があって危険だからって寧々ちゃんからNGが出て、店からも出禁になった客なのよ。ご自慢の車ですぐわかったわ」
「え……」
この前事務所で多田から聞いた話を思い出した。
「どこの店からもNGが出て、とうとう素人の子に手を出したのかしら。一緒に乗ってた子、素人っぽかったよね。可哀……」
朝陽はそれ以上、カレンに話させなかった。
「カレンさん、一緒の子、僕の幼馴染なんです。連れ戻します」
そう言うと、朝陽は車をUターンさせようとした。
「え、でも、ちょっと……」
カレンは突然のことで慌て、後部座席から身を乗り出し朝陽の肩に手をやる。
しかし朝陽が振り向いて、「僕の大切な子なんです」と言うと、じっと朝陽の目を見て肯く。
「わかった。じゃあ、急ごう。中に入られると面倒よ。店のトラブルとは違うから、おばちゃんに頼むわけにはいかないからね」
朝陽は肯くと車をUターンさせて来た道を戻り、高速の手前で左折する。知沙が乗った車がちょうどホテルの駐車場に入るところだった。
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