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まだ、父が生きていた頃のことだから、朝陽が小学1年の夏までのことだ。
母親同士が仲が良かったので、お泊まり会と称して、夕飯とお風呂を済ませてからどちらかの家に泊まりに行って、遅くまで遊んで一緒に寝るというを長い休みの時にやっていた。朝陽の家に知沙が来ると、父が面白いゲームやなぞなぞで遊んでくれた。
知沙の家では……。
「そういや、知沙の家ではよくボードゲームで遊んだな」
「うん、そうだね。懐かしいなあ」
知沙の家には、人生ゲームや、いくつかのボードゲームがセットになったものがあって、知沙の父や母と四人で遊んだっけ……。
「今日は一人になるのが嫌なの。朝までゲームしよう。ね、お願い」
知沙が泣きそうな顔で言うので、朝陽も根負けして車を知沙の家の敷地に入れた。
「陽が登る前には帰るからな。車が知沙の家にあるのをうちの母親が見つけたら、勘違いするから」
「うん! わかった。それでいいよ」
知沙はすっかりご機嫌になって肯いた。
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