27人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
朝陽は知沙の前につかつかと歩み寄ると、何も言わずに知沙を抱きしめた。
「えっ。どうしたの。朝陽?」
知沙は少し体を離して朝陽の顔を見ようとするが、朝陽の力には敵わない。
「知沙、結婚しよう」と朝陽が耳元でささやく。
「えっ」
知沙はそれ以上言葉にならない。
「お母さんの許しももらった」
「本当? すごく嬉しい! でも……」
喜びに震える知沙だったが……。
「皆が見てるよ。ねえ、朝陽、ちょっと恥ずかしいかも……」
ナースステーションのスタッフや談話室の他の利用者の視線が二人に集まっていた。
最初のコメントを投稿しよう!